消化器のはなし(歯最終回)

  • 2018.05.23 Wednesday
  • 16:48

 
 歯の話の最終回はフェレットについてです フェレットは犬や猫同様の歯肉炎や歯周炎を起こします。予防は歯磨きです。犬用の歯磨きガムを好んで使用している子もいます。

 また、いたずら好きの性格ですので固いものをかじって歯をすり減らしてしまったり、破損させてしまうトラブルはよくあります。歯髄が露出していなければほとんど問題にはなりません。しかし、痛みを感じて食欲がおちてしまったりする場合には治療が必要になります
 フェレットの場合にも人同様の歯内治療ができますが全身麻酔下になります。歯を専門としている病院での治療がいいかもしれません。

 重度の歯周炎や大きな歯の破損では残念ながら抜歯が適応となります。抜歯も全身麻酔が必要です。

 どの動物に対しても全身麻酔が必要な処置の前には血液検査、レントゲン検査などが必要になります。動物の体調も考え、担当の獣医師と処置について十分に検討することが大切です。

ワクチネーション

  • 2018.05.22 Tuesday
  • 10:44


 犬、猫のはじめてのワクチンはいつどのように接種したらいいのでしょうか?

 お母さんからもらってきた抵抗力が残っている期間はワクチンは接種しても効きません。抵抗力を血液検査で測ることはできます。しかしそうして適切な時期を見つけることは手間と金銭的な負担を考えると実際的ではありません

 生後6−8週初回接種して16週まで3−4週間ごに接種を繰り返す方法が推奨されています。そうすればまず適期を逃して感染させてしまう危険性が低いと考えられます。しかし、この方法でも最低4−5回接種することになり実際難しいでしょう。

 ですから、動物の負担も飼い主さんの負担も減らし、最低限度の接種を行って感染を防ぐ方法には飼い主さんの協力も欠かせません。

  犬の場合ペットショップ、ブリーダーですでに1回目は接種している場合が多いため2回目以降接種するケースが多いと思います。生後2カ月ですでに2回接種しているような場合でも、最終のワクチンを16週以降(3カ月半から4カ月)に接種したいので、前回の接種から4週以上あけて1−2回の追加接種をお勧めしています。たとえば4週目8週目に接種している場合ですと12週16週での2回計4回の初年度接種であとは1年後にしたり、10週で接種してあって、家にもその子しかおらず、外出をさせない条件で飼い主さんが動物に接触する機会のない人であれば16週に追加接種してあとは1年後、というような接種方法をお勧めしています。
 
 猫の場合は環境にもよりますが、野外から保護した子はなるべく早く1回目を接種すべきでしょう。まだ目の開かない時期に保護したのであればお母さんの初乳をあまり飲んでいない可能性が高いです。初乳には免疫物質が含まれて子猫の抵抗力に関係していますので、そのような子猫は病気に対して無抵抗に近いです。他の猫への接触はもちろん、保護された方も防疫には神経を使わなければいけません。そのような環境の子猫には生後1週目からのワクチン接種も行ったほうがいいとの話もあります。しかし、実際では早くワクチン接種をはじめたとしてもせいぜい6-8週目以降でしょう。以降は3週毎追加接種を16週になるまで続け、あとは1年ごとすることが多いです。
 
 感染症の予防に100%安全はありえませんが、一番こわいパルボ、ジステンパーウイルス感染は家に迎い入れて数日で発症するケースが多いので、本来ならば十分ワクチンの効果が出る時期を待って家に迎い入れる方法が1番です。しかし、そのころには生後4−5カ月たっており、実際にはその前に譲渡されるケースがほとんどでしょう。
 家にきてすぐにジステンパー、パルボで入院し命を落としたケースは何度となく見ました。飼い主さんもそのころにはすでに愛情も移っており、つらい思いをされていました。
 
 ワクチンはもちろんその子の命を守るものではありますが、社会に蔓延させないためにも必要なものです。病気自体が流行しなければかからないわけですので。ですから、小さい時の接種はもちろん、大人になってからの年1回接種の継続を忘れず行いましょう。

 

消化器のはなし(歯part2)

  • 2018.05.21 Monday
  • 09:54
JUGEMテーマ:ペット
 歯の話、続きです。
 
 今回はウサギとハムスター、モルモットです。

 ウサギで多いトラブルは不正咬合過度に伸びてしまった歯歯の根元に膿がたまる状態になってしまうことです。
 不正咬合は切歯と臼歯両方に起こりますが、関連していることが多いです。ご存じのとおりウサギの歯は伸び続けます。これは歯がすり減って短くなってしまうような食生活であるからです。また、歯はゆらぎやすいので過度の力が加わると簡単に向きがかわってしまいます。
 切歯は上の歯が前後二重に生えていて、その間に下の歯が咬み合わさるようになっています。よく、固いものをかじっているから伸びないのだと言われていますが、上の歯と下の歯が互いに削りあうことで正常な長さを保っています。これはハムスターでも同じです。逆に固いもの、ケージやステンレス食器などをかじることで歯が向きを変え、上下のかみ合わせが悪くなって伸びてしまうことがあります。ハムスターやモルモットは上の切歯に比べて下の切歯が長いのでこれを過度に伸びているのではないかと心配して連れてこられる方もいますが多くは正常です。
 写真のは見づらいですがウサギさん臼歯が舌の方向に過剰に伸び、とげ状に研がれて舌を傷つけたものです。このようになると痛くて食餌がとれなくなります臼歯が伸びる原因は生まれつきのこともありますが、本来臼歯をすり減らすような咬み方をするべきところをあまり使わなくても飲み込める状態になってしまう食餌をとっているせいであることも多いです。また、切歯の不正咬合から臼歯がうまくかみ合わなくなることもあります。切歯の不正咬合は前述した固いものを噛んでなること以外に、歯をぶつける、切歯が折れるなどの外力によって起こるケースがあります。または、何らかの理由で食欲がなくなることでも研がれなくなって伸びてきてしまいます。切歯、臼歯ともに伸びすぎてしまうことが採食を妨害している場合には麻酔下で歯を削ることが必要になります。モルモットでも臼歯が伸びすぎてものが食べられなくなることがあります。

 歯の根元に膿がたまる頬や下顎が腫れてきます。そこで気づくケースがほとんどです。またウサギハムスターでは臼歯の根元が眼の下にありますので眼が押されてでてきてしまうこともあります。ウサギハムスターは排出させて洗浄してもまたたまってきます。膿の袋ごと摘出し、感染の原因となっている歯を抜けば根治するはずですが、治りきらないケースがほとんどです。しかし外見は痛々しいですが動物自体はあまり気にしていないことも多いので積極的な治療を行わない場合もあります。
 これらの予防は難しいですが、食餌を適切にし、ウサギには乾草をしっかりと与えて歯を伸ばさないようにすることが大切です。


 

骨関節炎

  • 2018.05.20 Sunday
  • 09:19
JUGEMテーマ:ペット


 
 骨関節炎の症状の出方は様々ですが、飼い主さんはちょっとした歩き方の変化にすぐ気付いてくださいますので早期に発見することができます。しかし、気づいていても時々でたりでなかったりだと様子をみてしまう方も多そうです。犬にも猫にもみられます

 骨関節炎は発症すると完全には治りませんので、悪化する前に治療をすることが大切です。関節軟骨が傷つき炎症物質が出たすと局所の血行不良や関節液の性状悪化が加わり悪循環に入ってしまいます

 骨関節炎の症状としては跛行ですが、初期は運動し始めや立ち上がるときに一時的に
足の強張りや跛行がみられて、その後はなくなってしまったりするので大丈夫かなと思ってしまいがちです。しかし、跛行は必ず疼痛からきているので動物にはすでに痛みがはじまっているのです

 早期に関節軟骨の修復に効果のある薬を用いることで悪循環を断ち切り、関節の変形を防ぐことができます。また、消炎鎮痛剤を用いることで痛みの原因となっている炎症をおさえることができます
 
 チェック項目をあげておきます
 
 寝た状態から起き上がるとき歩きにくそうにする
 車の乗り降りを嫌がる
 散歩時に腰の揺れが大きく見える
 遊んでいるときに奇声を発し歩き方がおかしくなる
 歩行時に脚をあげたまま地につけない
 階段の上り下りを嫌がる
 脚を引きずるような歩き方をする
 散歩を嫌がる
 脚や体を触ると嫌がる

 などです。

 早めに気付いてあげて治療を開始しましょう


_________________
さいたま市 アレイ動物病院 
mail:info@allay-ah.com
電話 048-637-0280

健康診断のポイント

  • 2018.05.19 Saturday
  • 10:17
JUGEMテーマ:ペット

 

 前より口が臭うような気がする、こんなところにできものが、なんとなく歩き方がぎこちないとか、呼吸が早いような感がする、前より吐く回数が多いよくお水を飲んでいる・・などなど。いつもはわからなかったけど一緒にいる時間が長いと気になったことはありませんでしたか?

 ある保険会社の統計では年齢や種類によってかかりやすい病気があるようです。
 
 たとえば犬、猫ともに1歳未満では感染症が多いようです。生後2-3カ月の時期に飼い主さんのところにやってくるわんちゃん、猫ちゃんが多いと思いますがやはり最初に心配になるのが大きな病気にかかっていないかどうかだと思います。
 まずは気になる症状のある・なしに関わらず、家族にむかえたら検診をうけてもらいたいと思います。できれば便などを持って行きましょう。感染症としてよくみられるのは犬猫ともに腸内寄生虫ですので検便はしておきましょう。外部寄生虫ノミ・ダニなどの検査もして、必要があれば駆除したほうが良いでしょう。
 また、下痢を起こす感染症もありますのでその疑いがないかを問診や検査で明らかにしてもらいましょう。犬では怖いウイルス感染症としてパルボジステンパーコロナなどがあります。ネコでもパルボ伝染性腹膜炎ウイルスは死亡原因の上位にあるようです。

 また、感染症呼吸器症状もでることがあります咳、鼻水、クシャミなどです。犬ではしつこい咳が出るケンネルコフジステンパーの症状として鼻水がでることもあります。猫で多いのは猫風邪といわれるウイルス性鼻気管炎です。鼻気管炎では目や流涙などもみられることがおおいです。

 このような話しをするとどの症状も怖い病気ではないかと心配になってしまうと思います。それらの症状がかならずしも怖い病気ではないのだと言ってあげられるのも私たち獣医師の大切な仕事です。ぜひ不安があるときにはすぐに相談にきて心配を解消してほしいと思います

不妊・去勢手術のすすめ

  • 2018.05.18 Friday
  • 10:18

 
 不妊・去勢手術の目的は不幸な子孫を残さないことだけではありません。

 将来起こるかもしれない病気を防ぐとともに、高齢になって麻酔のリスクが高まるあるいは麻酔がかけられない状態になって手術ができないようなことを少しでも減らしたいがために行います

 メスの場合、子供がほしいので手術をしないという方もいらっしゃるでしょう。そのような場合には1歳、せめて2才までには初産をさせておきましょう。母子ともに健康な出産ができるのは4-5歳までです。何頭かかわいい子供を産んでもらって、4−5歳になったら不妊手術をするというのが良いでしょう。そのころであればまだ麻酔のリスクも低いですし、血液検査をすれば健康診断にもつながるでしょう

 1−2才を過ぎるともう今更不妊手術はかわいそうとお思いになって「やらない」という方もいらっしゃると思います。しかし、先ほども述べましたが実際14、5歳になって病気になり、摘出手術を行おうとと思っても腎臓や肝臓の状態が思わしくなく手術できなかった子や体に負担がかかってしまい、結果的に寿命を全うできなかったのではないかと思われる子がいます

 実際不妊・去勢手術によって防げるあるいはかかる確率が低くなる病気は、卵巣疾患(卵巣のう腫、卵巣腫瘍)、子宮疾患(子宮蓄膿症、子宮腫瘍、子宮水種)、乳腺腫瘍前立腺疾患(良性過形成)、精巣腫瘍などがあげられます。またホルモンによっておこる情緒不安などもなくなります。ウサギなどではこの情緒不安によって自咬症を引き起こすこともあります。
 卵巣疾患は陰部からの長期の出血や不正出血などから検査によって分かることもありますが、子宮疾患同様兆候がわからない場合もあるため、からだへの影響が出始めてはじめて発見されることも少なくありません。どちらも一般的な症状は食欲不振、陰部からのおりものなどです。子宮蓄膿症は薬で抑える方法がとられることもありますが、最終的には手術が必要になることが多いです。これらの疾患は自然には治りませんので、すべて手術による摘出が必要になります。腫瘍性のものは転移再発腫瘍随伴症候群などの危険があります。

 これらの病気が早期発見され、手術も順調にできれば、その後元気に暮らせることが多いため、手術をした効果を実感してもらえる病気でもあります

 病気にかかってから考えるのではなく、予防できることは若いうちにしておくことをお勧めしますし、飼い主さんと少しでも長く楽しい日々を送ってもらうためにも獣医師からもお願いしたい手術です。

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消化器系(歯)

  • 2018.05.16 Wednesday
  • 16:55
JUGEMテーマ:ペット

 
 引き続き歯にまつわる話です。

 で多い歯のトラブルは歯周炎根尖膿瘍です。
 歯周炎は歯石の付着からおこることが主ですが、歯肉からの出血や歯肉の過剰な増殖、歯石の中の細菌によって人で言う歯槽膿漏のような状態になり最終的には歯を失います。また、細菌が血流に乗ると心内膜炎肝炎腎炎椎間板脊椎炎などの原因にもなると言われています
 根尖膿瘍は歯肉から歯の根元に細菌感染がおこり膿がたまってしまう状態をいいます。原因歯の場所によって眼の下や下顎が腫れたりクシャミや鼻汁、鼻出血が起こったりします。人で同じような状態になると痛みがひどく食餌がとれなくなったりしますが、犬の場合は症状がないことも多く、知らないうちに進行してしまうことが多いです
 いずれも治療は原因歯の抜歯ですが、高齢であったり麻酔のリスクが高い時は抗生物質の投薬で様子を見ることもあります。
  犬では虫歯がまれという話をしましたが、歯がかけたり、生まれつき一番外側のエナメル質がうまく作れない状態であったりすると人同様の歯科処置が必要になります。歯科処置には全身麻酔が必要です。歯科設備の整った病院ではそのような処置も行われています。

 ネコでも歯石の蓄積から歯周炎が起こる場合もありますが、口腔内の細菌への反応から口腔粘膜が炎症をおこし潰瘍となって食餌をとれなくなることが一番多い問題でしょう
 ウイルス感染が関係していることもありますが原因が分からないケースもよくみられます。
 ステロイドや抗生物質の投薬で緩和されることもありますが根治が難しい病態です臼歯の全抜歯切歯、犬歯を含めた全抜歯で治癒するケースも見られます。歯がなくても採食はできますが、全部の歯を抜くことは全身麻酔下で時間もかかりますので猫への負担はかかります。しかし、食べられなければ衰弱していきますし、ステロイドの投薬を続けるのも体への負担がかかります。採食ができない状態では長く効果が持続するステロイド剤の注射で経過をみることもありますが、ステロイドの投薬間隔が短くなったり量が増えるようなら抜歯も考慮する必要があるかもしれません

消化器系のはなし

  • 2018.05.16 Wednesday
  • 09:28
JUGEMテーマ:ペット

 
 獣医療も人同様日々進歩しており、昨日の常識は今日は非常識と言われることも多々あります。もちろん昔の考え方が見直されたりすることもあります。私のような臨床(患者さんと向き合っていること)獣医師は様々な情報に耳を傾け日々の診療に取り入れたり、診察治療の幅を広げたりする努力をしています。また獣医療も専門化されつつあるため、場合によっては専門家を紹介したり、診断・治療方針を立ててもらいそれに沿った治療を行うなど、飼い主さんと一丸となって動物の診療に当たるという一次診療の場を充実させるべく頑張るつもりです。

 以前に書いたブログの内容も今ではちょっと考え方が変わってきた、といこともあると思いますので今一度飼い主さんと一緒に勉強しなおすつもりで病気や体の構造についてお話していこうかと思います。

 今回は歯の話です。

 歯は食物を取り入れる大切な入り口で重要な働きをしています。分かっていても歯の手入れは人でも大変ですよね。ましてや動物の歯磨きをすることは並大抵の努力ではありません。人では虫歯が問題になりますが、犬では主に歯垢歯石の蓄積による歯周病が問題になります。また、ウサギでは歯が伸び続ける機能が災いして、とげ状となった歯が口腔内を傷つけたり、歯周炎から歯の根元に膿がたまったりして骨髄炎をおこすことが問題となります。

 犬では生後4-6カ月位のときに永久歯が生え始め乳歯が脱落します。猫では少ないですが、犬では乳歯が抜けず永久歯が正常の位置にはえてこなかったり、間に歯垢がたまって歯周炎を起こすことがとくに小型犬に多く見られます。これを予防するには抜け残った乳歯を早めに抜歯してあげることです。ただし全身麻酔が必要となるので、避妊・去勢手術の時に一緒に処置をすることをすすめています。
 
 犬ではふれあいの一環として歯磨きをとりいれる良いと思います。まだ幼いうちに歯に触られることに慣れさせ、永久歯が生えるころに歯ブラシを使った歯磨きができるようにしたいものです。犬の永久歯は42本、猫30本です。人が親知らずを入れると32本ですから犬の歯の手入れは大変ですね。
 ワンちゃんではまず唇を触るところから始めましょう。嫌がらずに触れらせるようになったら唇をめくって犬歯までを見てきましょう。次は奥歯。結構奥まであることが分かります。ここまでできれば液体はみがきの滴下ができるでしょう。
 次の段階は歯を1本1本触ってきましょう。素手で怖い場合は軍手をするとよいでしょう。
 そこまでできた歯ブラシやブラシのついたデンタルグローブデンタルクロスなどをつかって歯磨きをしましょう。デンタルペーストの味がきにいって歯磨きさせてくれる子もいます。歯垢が歯石になるには2日かかるそうなので理論的には1日置きでも効果はありますが、忘れたりできなかったりすることを考えると1日1回と思っていたほうがいいでしょう。
 歯磨きまでできない、または今日は歯磨きサボりたという方は効果はおちますが液体歯磨き歯磨きガムを利用すると良いでしょう。処方食でデンタルケアができるものもあります。
 
 ネコちゃんは口を触ること自体が難しいのと歯周炎の原因が明確になっていないため歯磨きができても予防できない場合があります。免疫やウイルスが関係しているともいわれています。
 でも、口が臭う歯周炎口内炎の予防をしてあげたいとお考えならデンタルケアができるおやつや口内環境を整える生菌剤が発売されています。よろこんで食べる子も多いので利用してみるといいでしょう。

 うさぎさんのデンタルケアは食餌です。切歯で噛みちぎり、臼歯ですりつぶして食べることのできる乾草(チモシー)を小さいころから常食とすることが一番です。歯だけではなく消化器の正常な働きを助ける効果もあります。伸びすぎてしまった歯を削るには通常全身麻酔をかけなければいけません。切歯や臼歯の不正咬合となって削らなければ食べれない状態となってしまうと元の咬合に戻すことはほとんど不可能です。大抵の子が1か月に1回程度の切削が必要となってしまいます。1か月に1回の麻酔が体に良い訳がありません。
 また、歯の根元にがたまるような状態になってしまうと完治は困難です。皮膚を切って膿を出して洗浄しても膿の袋があるうちはまた膿がたまりますし、何回か切開をくりかえしているといくつも膿の袋ができて大きな瘤になってきます。顎の下にできると採食も難しくなります。初期であれば切除をして原因となる歯の抜歯をすれば完治することもありますが、大抵は隣接している歯も同様の状態になっていることが多く再発します。

胃の話(最終回)

  • 2018.05.15 Tuesday
  • 09:49

JUGEMテーマ:ペット 
 の話最終回は潰瘍と腫瘍についてです
 胃潰瘍は動物でも良くみられるようですが症状と治療への反応から推察される場合が多いです。内視鏡検査が全身麻酔をしなければできないことと、人のようにバリウム検査でいろいろな角度から撮影ができないことから疑われていても内服薬等で症状が改善すればそれ以上の検査は行わないのが通常です。
 原因は人と同様に精神的ストレス薬物異物によるものが多いでしょう。薬物では人同様NSAIDSとよばれる抗炎症剤によるものが考えられます。
 胃潰瘍の臨床所見として吐血がありますが、吐血が見られない場合でも出血しているケースはありえます。しかし大量の出血でなければ黒色便として検出されることはできずその他の証拠をつかむのは難しくなります。
 内科療法に反応しない場合や貧血がみられる重症例では内視鏡検査が必要になります。また胃に穴が開いていること(穿孔)が疑わる場合には開腹、切除が必要です。
 内科療法に反応しないケースや体重減少貧血などがみられる中で原因が腫瘍である場合があります。非常にまれであると考えられていますが、前述した理由により発見が難しいために見逃されていることも考えると実際はもっと多く発生している可能性があります。
 犬では腺癌リンパ腫平滑筋肉腫などが知られていて良性腫瘍は少ないようです。
 猫でも胃の腫瘍は稀で、良く見られるのはリンパ腫であると報告されています。
 悪性腫瘍である可能性が高いため、症状から疑われて検査によって発見されるころにはステージが進んでいることが多いのとリンパ腫以外は化学療法(抗ガン剤)の有用性が見込めないところから治療が難しくなっているのが現状です

消化器の話(まだまだ胃)

  • 2018.05.14 Monday
  • 10:04

 

 胃の話の続きです。
 胃の問題で多いのは異物摂取です。異物にはおもちゃ、石、被毛などが一般的ですが、犬では飼主の持ち物(靴、靴下、タオル)を遊びの一環でのみこんでしまったり、針や竹ぐしなどをのみこんでしまった例もあります。糸状のものやひも状のものをのみこんでしまい腸にまでながれてしまうと広い範囲にわたって損傷の原因ともなりめんどうなことになります。
 のみこんだことが分かっていれば積極的に吐き出させる処置を行うこともできます。家庭でできる方法もありますが安全に行うには動物病院に相談したほうがいいでしょう。先のとがったものや刺激の強いもの等の場合には吐き出させることができないので別の手段をとることになります。
 のみこんだかどうかわからない、あるいはのみこんでから時間がたっているが動物の様子はかわらないケースではレントゲン検査が有効な場合もあります。また嘔吐を繰り返しているケースやのみこんだものが大量であるケースでは開腹手術が必要になる場合もあります
 危険なものに動物を近づかせないことが大事ですが、こういった異物を食べてしまうケースは多々あります。のみこんだかどうかわからないこともありますが、嘔吐を繰り返している場合には早めに相談したほうがいいでしょう。1か月後位に症状が出てくることもありえます。原因不明の嘔吐ではバリウム検査や内視鏡検査が必要な場合もあります。
 ウサギやフェレットでは被毛が胃にたまって問題となることもあります。これらの動物では触診で判別つくこともあります。ウサギは吐くことができない動物なので食欲不振や排便が少なくなるなどの症状が見られるなら早めに受診したほうがいいでしょう。
 

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